決算

VISA 【V】分析

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1958年にバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が BANK AMERICARD を設立したことから始まり、後にBAICへと社名とブランド名を変更、それを1976年に現在の社名「VISA」に変更。このブランド名は、「金融界のビザとして、各国地域の市場ニーズに合わせた貨幣価値を、国際決済サービスで提供する世界通貨」を意味しているとの事。上場したのは2008年と10年しかたっておりません。

主な競合はマスターカード・アメリカンエキスプレスになりますがカード発行枚数と取引扱い高ともに2位のマスターカードに2倍の差をつけ圧倒的シェアを獲得しています。

出所:VISA_IR

(面白いのはアメリカンエキスプレスの発行枚数が1.1億枚だが取扱い高がVISAの1/6にまでなり富裕層が持つイメージそのまま数字にも表れています。)

2017年度10-KからVISAブランドの圧倒的シェアからどのくらい利益を生んでいるのか今後とも続きそうか、またこのVISAの強さが壊れるリスクはどこにあるのか分析していきたいと思います。

最終年度10-Kは2017年度(2017年11月17日開示)です。

 

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企業の目標

・私たちの使命は、世界を最も革新的で信頼性があり安全な決済ネットワークでつなぐこと。この使命を果たすために、我々は7つの戦略的柱に焦点を当てています。

出所:visa_IR

  • Drive Digital:デジタル決済のリーダーとしての成功を達成する。
  • Deepen Partherships:金融機関と共に顧客との相互作用を進化させ、承認や新しい業界とのパートナーになる。
  • Expand Access:世界中のビザ商品やサービスへのアクセスを拡大する。
  • Develp Best Talent:最高の人材を育てる。
  • Transform Technology:技術の効率性を高め、イノベーションを可能にする。
  • Champion Security:業界最高の決済システムセキュリティ
  • Leverage WorldClass Brand:ビザという世界最高のブランドを活用し私たち、私たちのパートナーに測定可能な結果をもたらす。

クレジットカード決済のしくみ

クレジットカード3大業務

・国際ブランド業務:世界規模の決済ネットワークの運営、カード取引に関する運用・規定の制定と監督を行う。

・カード発行業務:カードを発行する業務で、会員の入会審査や管理、代金の立替払い、請求などを行う。

・加盟店業務:クレジットカード決済を利用できるようにしたい店舗等との加盟店契約、加盟店の管理などを行う。

クレジットカード取引に関する事業者の関係

・アクワイアラ:加盟店の開拓や管理を行いカード決済のインフラを導入する。自ら開拓した加盟店から売上データを受け取り、かつ売上代金をイシュアから徴収し、かつ加盟店に入金業務を行う。アクワイアラにはカード利用の手数料の一部を受け取ることができるため、加盟店を増やすほど、利用手数料収入が増加します。

・イシュアー:国際ブランドからライセンスを取得しカード発行業務を行う。カード利用者(消費者)がカードを利用して商品の購入やサービス利用を行った後にカード利用者に料金を請求・徴収しアクワイアラに支払いを行う。(銀行やクレジットカード会社など)

・加盟店:カードを取り扱う。

・国際ブランド:イシュアーとアクワイアラーを仲介してクレジットカード取引の清算や通貨変換(為替)などを行う。取引内容や4者間の契約関係には介入しない。

(JCBやアメリカンエキスプレスなどの用に自社専用のカード・決算システムを取り扱ってアクワイアラとイシュアーの両方の役割を担ってる企業もあります。自社でカードを発行するメリットは年会費や利息で儲けることができます。デメリットは貸し倒れリスクを背負います。)

国民生活

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ビジネスモデル

・Visaは、カード発行金融機関、取得者、および加盟店を含む四者モデルで運営されています。Visaは銀行ではありません。

出所:visa_IR

・Visaの収益はネットワークと決済処理システム、Visaブランドのライセンス料、口座保有者サービスの料金、認証およびライセンス供与と記述されています。

・Visaはイシュア、アクワイアラの業務は行っていません。

・他の業者がVISAからライセンス権利を得てカード発行や消費者が使用した代金の立替払い、請求などを行います。

・その為、カードホルダーの貸し倒れリスクはイシュアやアクワイアラが負っていて、Visaには貸し倒れリスクはありません。

事業リスク

・規制上のリスク:世界の支払い業界の規制強化および規制の変更、その国独自の規制によって当社のビジネスに害を及ぼす可能性。

・個人情報の取り扱いにより規制上の罰金および重大な法的責任が生じる可能性がある。

・税務調査や紛争、または税法の変更を受ける可能性

・訴訟のリスク

・決済システム不具合により顧客の決済損失を補償しなければならない可能性がある。

・英国のEU脱退により当社の事業および財務結果が損なわれる可能性がある。

・新しい技術・サイバーセキュリティ対策に対応出来ないと当社に害が及ぼす可能性。

セグメント

地域:

・アメリカ国内売り上げ:2008年から平均11%の成長をしています。2017年度の前年比は11%の成長をしています。

・International売り上げ:2008年から平均17%の成長をしています。2017年度の前年比は37%上昇と過去最高の値を出しています。

事業:

・サービス収入:決済時の手数料

・データ処理収入:決済システム使用料金、およびその他の保守およびサポートサービスで獲得されます。

・インターナショナルトランザクション:国境を越えた取引処理や通貨換算活動で国際取引収入 が得られます。

・その他:ライセンス料、口座保有者サービスの料金、認証およびライセンス供与などで得られる収入。

・顧客インセンティブ:ポイントなどの特典(顧客サービスのため、費用になる。)

事業セグメントの成長率を記述します。

・サービス収入:平均12%で成長し前年比は18%上昇しました。($8bill)

・データ処理収入:平均17%で成長し前年比は27%上昇しました。($7.8bill)

・インターナショナルトランザクション:平均16%で成長し前年比は36%上昇しました。($6.3bill)

・その他:上場初期は顧客が未開拓だったと思われるため10%・14%の上昇だが2017年度は2%と落ち着いた感じがします。($0.8bill)

・顧客インセンティブ:全体の売り上げに対して費用も上昇しています。毎年20%の割合になっており、2017年度は全体の24.9%をサービス出費になっています。(-$4.6bill)

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財務諸表分析

BS:

・自己資本比率は46.9%と安全です。

・有利子負債は前年から発生しており$16.6bill(総資本の35.8%)あります。これは2016年6月に買収完了した「ビザヨーロッパ」の為だと思われます。営業CFは毎年出ており、CFで見た返済能力は2.45年になりますので安全性には問題ないと思います。

PL:

・2012年の営業利益率が落ちているのは訴訟引当金として約$4.1billを費用に計上した為である。BS:流動資産のほうにも「エスクロー口座(引当金)」として計上されています。

・訴訟内容はクレジットカード会社に払う手数料が不当に高いとして、米小売店が米クレジットカード大手ビザ、マスターカードなどを訴えていた集団訴訟が発生しており、2社とカードを発行する米大手金融機関が総額72億5千万ドル(約5700億円)を負担する和解案で合意したとの事。

・2016年も毎年に比べて一般管理費が多くなっており営業利益率が落ちています。これは「ビザ・ヨーロッパ・フレームワーク協約損失」という費用が発生しています。

成長率:

・売上:下落することなく平均14.7%で成長しております。

・営業率:訴訟など突発的な費用を省くと毎年平均60%の営業利益率をだしています。なので売り上げと同じ14.7%で成長しております。2017年度は66.2%の営業利益率となっています。

・当期純利益:特別利益・損益はほぼ無い為、税金を計上したら売上に対して35%~45%の最終利益が上がっています。

CF:

・毎年キャッシュを出している。又、設備維持にかける金額も少ないです。

・配当利回りは0.7%

チャート・指標分析

tradingview.com

・PER・PSR

 

・ROE:現在のROEは24.7%

まとめ

・上場から売り上げ高・営業利益とも年率14.7%で成長しており、貸し倒れリスクもほとんど無い。営業利益率毎年55~60%

・今後の成長のポイントとしてデジタル決済・個人間送金を挙げています。Eコマースなどのデジタル決済は2兆ドルの売り上げ、5倍の成長を見込んでいます。(現在売上:180憶ドル)、個人間送金は30兆ドルを見込んでいます。

・ビザの決済手数料は現在1ドルおきに、カード:0.15ドル、デジタル決済:0.43ドルを請求出来ているとの事。

・パートナーシップとして[Square],[PayPal,venmo],[UBER]が入っています。(これらの企業は競合相手だと思っていたが、VISAのプラットフォームを使用していると解釈)

・カード・小売店は今後10倍に増えるとの見込み。現在カード発行数:3.2bill   小売店:44M

・素晴らしい企業だが・現在はPER/PSRともにかなりの割高になっています。先日ヘッジファンドのレポートのニュースでIT株は大きく下落しました。このような小さなニュースでも下落するので今から株を取得する人は少なく上昇余地はあまり無いのかもしれません。事業としては成長するのは確実なので握力が弱い人達が手放しPER20倍になるまでまったほうがいいかもしれません。

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