決算

ペイパルHD 【PYPL】2016年度 分析

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PayPal Holdings Inc.(以下:ペイパル)は決済サービス事業を展開している企業です。1998年12月にPayPal Inc.の社名で設立。2002年にeBayに買収されその子会社となっていたが、2015年7月にPayPal Holdings Inc.の社名でNASDAQに再上場しました。

創業者は起業家:ピーターティール(シリコンバレーで大きな影響力を持つ「ペイパル・マフィア」の中では、「ドン」と呼ばれている)がコンフィニティ(後のPayPal)を共同設立しその後、天才起業家イーロンマスクが設立したX.com社と合併しこれがペイパルになっています。

ペイパルの位置づけはフィンテックの起源と言われ、ビザやマスターカード等のカード会社の決済システム部分を担っている業種と捉えたほうが近いかもしれません。

最近では決済サービスを強化する為に積極的に買収をしています。幅広い事業を展開するのではなく決済サービスに特化した買収戦略をしているように見えます。主な買収企業を記述します。

・2013年Braintree社:決済サービス:Venmo(ベンモー)の成長が著しい。Venmoは「P2P(個人間送金)」の金融サービスを提供。手軽に金銭のやり取りを可能で家賃の支払い、また最近では若者たちでの間では割り勘での使用で広まっているとの事。Venmoの使い方は簡単でAndroid・iOSのアプリで提供されている。サービスは、銀行口座とデビットカードを利用する場合は無料となり、クレジットカードを利用する場合のみ3%の手数料が徴収される。最近の動きとしては「チケット購入サービス」・料理配送サービス「Munchery」でもVenmoを選択できるとの事。

・2015年4月Paydiant:モバイル決済における当社の能力を拡大

・2015年4月CyActive:情報セキュリティ機能の強化。

・2015年7月Xoom社:米国内から国外への送金や決済を実行するためのサービスを提供している

・2017年2月TIOネットワークス:アンダーサーブドと呼ばれる銀行口座をもっていない人たちが公共料金をペイパルで払えるようにするサービス。

・買収予定Swift Financial :銀行が協力的でなかったり、融資手続きがあまりに長く手間がかかる場合に、中小企業向けに信用貸しを提供している。

シバタナオキさんの書籍「決算を読む習慣」を読んで手数料をビジネスモデルとしている企業分析に参考になりました。この書籍を参考にフィンテック関連:ペイパルを分析していきます。

分析年度は2016年度10-K(2017年2月8日開示)

 

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企業の目標

・世界中の消費者および商人に代わってデジタル支払いとモバイル支払いを可能にするテクノロジープラットフォームおよびデジタル決済により金銭の管理と移転が豊かな人々だけでなく、すべての人々のための権利であると信じているように、金融サービスを民主化すること。

・銀行口座、PayPal口座残高、PayPalクレジット口座、クレジットカード、デビットカード、クーポンやギフトカードなどのその他の貯蓄価値商品を含むさまざまな資金源を使用して、消費者が加盟店とより安全に資金を交換できるようにする。

・消費者が国境を越えた買い物や商売に携わり、海外と国境を越えた取引を可能にする複雑さと摩擦を減らしつつ、グローバルなリーチを広げることを可能にします。

・信頼とシンプルさに焦点を当て、両面のPaymentsプラットフォームからリスク管理と洞察を提供し、技術とプラットフォームに依存しない。

・ 戦略的パートナーシップを通じた拡大 : 新しい顧客を獲得し、生態系における当社の役割を強化するために、幅広い選択肢と柔軟性を提供するなど、お客様にとってより良い経験を提供するための新しい戦略的パートナーシップを構築する。

事業リスク

・世界の決済業界における世界的な競争の激しさはますます激しくなっている。

・パートナーシップとの関係を確立し、成長させ、維持することができる保証はありません。

・新しく革新的な製品やサービスを提供するための急速な技術開発に対応できない場合は、当社の製品やサービスの使用、結果として収益が減少する可能性があります。ペイメントカードトークン化、モバイル、ソーシャルコマース、認証、バーチャル通貨、および非接触支払などの他の近接支払デバイスが含まれる。

・サービスのコスト増加、手数料の減額、消費者の貸し倒れリスク

・サイバー攻撃、セキュリティおよびプライバシー侵害の対象となります。

・支払いカードのネットワークや銀行手数料、規則、慣行の変更は、当社のビジネスに害を及ぼす可能性があります。(取引を処理するために銀行やその他の決済処理業者に頼らざるを得ず、サービスの料金を支払わなければなりません。)

・イギリスのEU離脱:当社のEU事業が英国市場へのパスポートを得る能力を失う可能性があります。(セグメント売り上げは全体の12%になっています。)

・マネーロンダリング防止指令に違反した場合の罰金には、PayPal(欧州)の総売上高の10%までの罰金が含まれます。

・事業展開の拡大により当社は、特許侵害の主張の対象となることがますます増えると予想している。

・加盟店やサードパーティの開発者に開放されている当社のデベロッパープラットフォームは、さらなるリスクにさらされています。

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財務諸表分析

BS:

・自己資本比率は44.44%になっています。

・有利子負債は無く、決済の為の一時預かり金での顧客の債券があります。流動資産の売掛金とほぼ同じ金額、それに流動比率は152.5%と安全性は十分にあります。

・2016年度は$9億の自社株買いをしています。今後も続くか注視していきたいと思います。

PL:

・売上は前年比17%の上昇

・営業利益は前年比9%の成長

・営業利益率は14.6%になっています。

・アクティブユーザーは前年比10%の成長しています。

・1人当たりの利用率は約3日に1回利用しています。(Q4_16:31.1回 四半期:約90日  31.1/90=約3日に1回)

・テイクレート(手数料):手数料3%、トランザクション費用:0.96%  トランザクション利益:57.7%

・手数料は四半期毎の短い期間で下がっています。これは手数料無料のVenmoの利用が急上昇している為だと思われます。

CF:

・毎年キャッシュを出している。

・投資CFは買収での費用だと思われます。ペイパルの買収戦略は非常に優秀だと思うので更なる成長が期待できます。

・配当は出ていません。

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チャート・指標分析

出所:Tradingview.com

・2017年5月から急上昇しています。PERは68倍、PEGは3倍と割高な数値となっています。

・成長株の指標分析のセオリーでPSRがあります。PSRで見ますと8.82倍。成長株にしては割高かもしれません。

・ROEは10%となっています。アメリカ株としては低いです。

・成長・競合企業の指標を見てみます。

・ビザ:PER:40倍 PSR:17.26倍  ・マスターカード:PER:35.6倍 PSR:16.3倍  ・アメリカンエキスプレス:PER:18.4倍 PSR:2.45倍  ・スクエア:PER:マイナス PSR:9倍

・グーグル:PER:37.7倍 PSR:7.1倍  ・FB:PER:33.97倍 PSR:14.6倍  ・AAPL:PER:19倍 PSR:4倍  ・アマゾン:PER:299.3倍 PSR:3.6倍

まとめ

懸念点は営業利益率、ROEが成長株としては低いです(VISAの営業利益率は50%!!)。その為、現在は割高で保有できない銘柄かもしれません。今後Venmoで手数料や有料にし利益を取れることができるか、無料のVenmoで新規ユーザーを取り込み、他のサービスで利益を増やせるか注目していきたいと思います。

フェイスブックが他の競合相手の追随を許さないようにフィンテック起源のペイパルも小規模な競合他社を買収したり似たような技術を後から導入してもブランドを生かし他社を寄せ付けない感じになれるのではないかと思います。その時に手数料を最適な数値に決定できるかもしれません。現在のシェアは70%と圧倒的です。

バフェットが保有する飲食・銀行などの銘柄、生活に無くてはならない物・サービスとしてこれらの株は上昇していきました。これからキャッシュレス化が進み決算サービスが無くてはならないサービスになるかもしれません。そのうえで20年も前に誕生したペイパルが決済サービス候補として地位を確立するのではないでしょうか?

出所:datanyze.com

 

 

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