決算

アルトリアグループ 【MO】2016年度 タバコ産業 分析

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アメリカを本拠地とするタバコ産業グループ。

2007年3月30日クラフトフーヅをスピンオフ。

2008年3月28日、アルトリア・グループのタバコ事業国際部門としてフィリップ・モリス・インターナショナルをスピンオフ。

又はビール会社の株式を持っています。2016年10月にアンハイザー・ブッシュ・インベブがSABミラーを買収しました。それに伴い2016年度の損益計算書には株式売却による特別利益が計上され大幅にEPSが前年の約3倍になっています。これは一時的なものです。

スピンオフの理由として訴訟リスクの軽減です。

訴訟の内容としては健康被害を懸念する訴訟、寡占の訴訟が挙げられます。

タバコは悪いイメージがあるのですが、アルトリアの株価は上昇し続けています。なぜアルトリアグループは衰退しないのかを分析していきたいと思います。

クラフトフーズとフィリップモリスのスピンオフの為、2007年から分析していきたいと思い、最終年度10-Kは2016年度(2017年2月13日開示)です。

 

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企業の目標(出所:2016 Altria Annual Report)

・コアタバコ事業の最大化:

マールボロは、44%の市場シェアを持っている。これは時間の経過とともに関連性と活力を維持しながら進化しさせ、その価値にこだわってこれらの結果を達成している。

・未来のために革新する:

進化する大人のたばこの消費者の欲求に応えるため、革新的なタバコ製品のポートフォリオを開発し続けている。

有望なe-vapor製品のパイプラインを強化し、8月に発効した米国食品医薬品局(FDA)の規制規定に準拠する準備を整えている。

加熱されたたばこの中で、AltriaはIQOSのためのFDAアプリケーションでPhilip Morris International Inc.(PMI)と提携し続けています。PM USAは現在、FDAの承認を待って、米国でのIQOSの発売準備に専念した商品化チームを持っています。PMIは、他の市場からの貿易と消費者の洞察を得るため、PMIと緊密に協力しています。

・様々な収入の流れと強力なバランスシートの管理:

ワインとビールのカテゴリーにおける当社のポジションを含む当社の多様なビジネスモデルは、時間の経過とともに一貫した財務実績を維持するのに役立ちます。

アルトリアのABインベーヴの10.2%所有権の適正市場価値はほぼ210億ドルでした。

・責任を果たし、害を軽減する:

私たちは、害を軽減し、FDA、科学界、公衆衛生の専門家と協力して、被害軽減を支援する政策や行動を提唱する可能性のある、革新的なたばこ製品の開発に熱心に取り組んでいます。

・多様で包括的な文化を創造する:

私たちは人、地域社会、サプライヤーの違いを見つけ、価値を評価し、事業の成功を促進します。私たちは、すべてのレベルで従業員を多様化し、より包括的な文化を創造しています。

これらの取り組みは、事業へのリターンをもたらし、ダイバーシティのための25の有益な企業のリストに選ばれサプライヤーの多様性のためにアメリカで最も賞賛される企業の1つと選ばれました。

事業リスク

・健康被害による訴訟

・米国食品医薬品局(FDA)の規制による販売の悪影響

・タバコ製品は実質的な課税を受けている。又、さらなる増税の可能性がある。

・増税や原料の入手減・コスト・品質の変化によってタバコ価格の値上げにより他の低価格製品にシェアを奪われる可能性

・成人の消費者の好みの変化、禁煙による購買行動の変化

・タバコ使用の社会的受容の低下の影響とタバコ規制行為により、アルトリアグループは最高の人材を引き付けることができない

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事業内容

主な事業内容は従来のタバコ製品と無煙タバコ製品(アイコス等と思われる)です。

・Smokeable products:売り上げ全体の88.8%になり、利益率は34%になっています。売り上げ規模は2009年からさほど変わっていないです。

・Smokeless products・売り上げ全体の8%になり、利益率は57.4%になっています。2009年から2016年の売り上げ規模は9%で成長してます。

財務諸表分析

BS:

・自己資本比率は10~13%台、2016年度は27.8%になっています。

・有利子負債は220億ドルと総資産の48.5%、キャッシュフローでの返済年数では5.88年ほどと大きいです。セオリーでは安全ではないがキャッシュフローがちゃんと出ている事、毎年利益剰余金が積立られ2016年度では360億ドルになっています。

・売上債権回転数は2.14日、買入債務回転数は6.03日と売掛金を回収するのが早いので資金繰りには困らない。

・自社株買いのプログラムがあり、現在289憶ドルの自社株式を保有しています。

PL:

・2009年から売り上げは微増だが営業利益率が平均10~12%で成長しています。2016年度の当期純利益の大幅上昇は保有株売却による一時的なものです。

・営業利益率は20%から落ちることは無く、2016年度は34%と高利益率です。

・2016年度のEPSは一時的に7.28ドルになっていますが、特別利益を考慮しなかったら3.03ドルになると記述されています。

・売上と総費用から見た損益分岐点比率は80%と高利益になります。

CF:

・毎年キャッシュを出している。又、設備維持にかける金額も少ないです。

・配当利回りは3.8%、配当性向は80%と高配当になっています。しかも連続増配年数は48年になります。

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チャート・指標分析

出所:アメリカ株ドットコム

・リーマンショック前高値:87.85ドルから2008年11月には14.34まで下落しています。

・PER・ROE

・2017年10月30日現在の株価64.92ドル。EPSは3.03ドルで計算した場合のPERは21.4になります。適正価格でしょうか。

・ROEは自己資本比率が低いので180%となっています。

まとめ

・自己資本比率は低いが毎年キャッシュフローと利益剰余金の積み重ねによる資産の増加、設備維持にかかる費用も少ない。営業利益率も34%と高利益で近年は無煙タバコも成長している為、BS/PL/CFとも申し分ないかと思います。

・訴訟リスクはありますがアルトリアグループは長くそれと戦って来た為、耐性があるのではないでしょうか。

・タバコ産業は、上記の「事業リスク」で述べたリスク、特に訴訟リスクでのタバコ会社の倒産リスクが懸念されてきました。その話題が出たら株価が下落するが、BS/PL/CFとも申し分なく利益もちゃんと出している事とのギャップでバリュー投資には最高の銘柄ではないでしょうか。それに自社株買い・連続増配・圧倒的なブランド価値と企業努力による成長がアルトリアグループにはあると思います。

 

 

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