決算

AT&T  【T】2016年度 分析

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1877年アメリカの発明家グラハムベルが作った長距離電話会社「ベル電話会社」が前進であり、今では世界最大級の総合通信企業です。連続増配は33年、配当利回りは5%となっています。

アメリカでは携帯電話普及率は117.6%(2015年度)となって成熟していて、次なる成長戦略の為に2015年7月にDIRECTVを買収完了、2016年10月にはタイムワーナーを買収すると発表しています。今後の成長がどうなるか調べていきましょう。

参考10-Kは2016年度(2017年2月17日開示)です。

 

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企業の目標

①ブロードバンド、ビデオ、音声サービスの強化に注力していく。

②DIRECTVの買収でデジタルエンターテインメント空間への関与 を 拡大、また地理的には経済見通しが強く、中産階級が増え、米国との文化的・地理的なつながりがある国のメキシコの無線事業を買収。

③タイムワーナー社の買収交渉中。

④最新の無線技術:5Gの投資。

上記①~④の行動により「顧客に比類のないコミュニケーションとエンターテイメント体験を提供する」と記述されており、今までの通信サービスの強化はもとより、自社通信網を生かしたメディア事業の参入と拡大を目指しているのが見えます。

事業リスク

・多額の投資を行っている国において、市場における不利な経済的及び資本アクセスの変化

・代替技術や配信方法(ケーブル、ワイヤレス、VoIP、オーバービデオサービスなど)を使用する製品や設備投資を維持する能力、競争激化による収益損失を吸収する当社の能力。

・ DIRECTVによって運営されている衛星及びネットワークにおける主要な機器故障による影響。ネットワークまたは顧客情報に関連するセキュリティ侵害の影響

・2011年にTモバイルを買収しようとしたが、独禁法によって買収できなかった経緯があります。今回タイムワーナーの買収に対してトランプ大統領が反対しています。AT&T側は法的には問題ないと主張しています。

事業内容

事業セグメントは4つに分かれています。主に有線・無線・固定電話サービスがあり、それを顧客レベルでセグメントに分けています。

出所:AT&T IR

・ビジネスソリューション:法人向け事業で売り上げの約44%を占めています。

・エンターティメントグループ:メディア事業で売り上げの約31%を占めています。

・コンシューマーモビリティ:個人向け事業で売り上げの約20%を占めています。

・インターナショナル:海外事業で売り上げの約4%になっています。

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財務諸表分析

・2000年度から2016年度の売り上げ・営業利益・純利益・営業利益率になっています。

・売上2007年度から2013年度は横ばい時期をへて2014年度からは上昇しています。

・売上原価と一般管理費は売り上げに応じて一貫しており、営業利益率は2011年度・2012年度以外は15%以上を保っています。

・2011年度・2012年度は一般管理費が上がっており、これは年金及び退職後給付制度に関する保険数理上の損失とTモバイル解散手数料が計上されていると記述されており、一時的なものと思われます。

・自己資本比率:約30%、流動比率:75.9%、当座比率:44.7%と安全性は低いが、売掛債権:約37日、買掛債務:約69日と資金回収より買掛債務が長いのですぐに資金繰りに困ることは無いと思われます。

・売上から営業キャッシュフローを24%生み出しており、支払い配当はキャッシュから約30%支払っています。キャッシュから支払っていますので無理をしていません。

・損益分岐点の観点からみると損益分岐点比率が92%となっており、売上が8%下がると利益が上がらなくなってしまいます。

セグメント

2014年度から現在のセグメントになっています。事業内容の所でも紹介しましたがここでは利益率を見てみます。

・ビジネスソリューション・・・売上・利益は横ばいです。利益率は約22%です。

・エンターテインメント・・・売上は平均50%で上昇。利益も2015年から200%上昇しています。利益率は約12%です。

・コンシューマー・・・売上・利益は横ばいです。利益率は約30%です。

・インターナショナル・・・まだ全体に占めている割合が少なく利益も赤字になっています。

 

チャート・指標分析

 

・リーマンショック時は業績は悪くならなかったが、株価は25ドルまで下落しています。

・2000年から2016年のPERの最高と最低を載せます。出所:ADVFN

200020012002200320042005200620072008
高PER31.525.424.818.417.615.718.319.222.1
低PER23.215.017.18.810.513.015.312.816.5

 

20092010201120122013201420152016
高PER19.413.98.848.430.911.532.716.5
低PER9.710.17.141.223.26.819.911.5

 

・PERは統一性が無い為シケモクやバリュー判断は難しいと思います。

・現在のROEは10.6%になっています。

まとめ

AT&Tの売上と利益・利益率は一貫しておりリーマンショック時の2007年~2009年でも業績は安定していますが株価は25ドルまで下落しました。2011年度・2012年度の業績悪化はTモバイル買収の費用がかさんでの一時的なものだと思っています。

タイムワーナーの売上規模はAT&Tの20%しかないので劇的に業績が上がることは無いと思っています。

連続増配は33年、増配率は低いが配当利回りは約5%となっています。

注意点は売上が8~10%落ちたら保有は厳しいかと思います。セグメント個別でいえば、ビジネスソリューションの売上が落ちてないか、エンターテインメントが成長しているかがポイントになるかと思います。

AT&Tは株価が割安か割高か判断をするのではなく、安定的な業績で倒産しない企業として捉えて、債権的な役割として保有する銘柄だと思います。

以上になります。

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